身体には安全なの？AGA治療に使用する育毛剤の効果と副作用

AGA治療に使用する育毛剤の効果

プロペシアの効果について

プロペシアとは、AGAの進行を抑制する効果を発揮する育毛剤です。プロペシアの主成分であるフィナステリドは、当初はアメリカの製薬会社によって前立腺肥大症の治療成分として開発されました。しかし、フィナステリドを配合した治療薬を使用した患者に育毛効果が現れたことで、育毛剤の成分として利用され始めました。

男性の薄毛原因のおよそ9割はAGAが原因だといわれますが、AGAは遺伝で受け継いだ体質が原因で発症する場合が多いため、食生活の改善や育毛シャンプーの使用といった薄毛対策では治療できません。

AGAを発症する原因がDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの一種であり、DHTが髪の毛の毛乳頭細胞にあるアンドロゲンレセプターに結びつくとヘアサイクルが乱れます。髪の毛は数年間に「成長期」「退行期」「休止期」という3つの時期を過ごし、この内の成長期に長くて丈夫な髪の毛に成長します。

しかし、DHTの働きによってヘアサイクルが乱れると成長期が短くなるため、痩せ細った髪の毛が増加して薄毛や抜け毛が進行します。プロペシアは体内のDHTを増やす原因である5αリダクターゼの働きを阻害する効果を持つため、プロペシアを使用することでDHTを減らしてAGAの症状を抑制して髪の毛の正常な成長を促す効果が得られます。

ミノキシジルの効果について

ミノキシジルとは、頭皮の毛母細胞や血管を増やすことで薄毛を改善する育毛剤です。当初はアメリカの製薬会社によって高血圧の治療薬として開発されましたが、ミノキシジルを使用した患者に育毛効果が現れたことで、薄毛対策に利用され始めました。

ミノキシジルを使用するとアデノシンという核酸の一種が体内で増加し、さらにアデノシンの作用によってVEGF(血管内皮増殖成分)とKGF(角質細胞増殖因子)という成長因子が分泌されます。VEGFには頭皮の血管を新生したり修復する効果があり、VEGFの分泌量が増加すると髪の毛が正常な成長を遂げるために必要な栄養分や酸素が十分に供給されるようになります。

そしてKGFには髪の毛の元となる毛母細胞を増殖させる効果があるため、ミノキシジルを使用することで髪の毛の元が増えると同時にその成長に必要な栄養分や酸素が十分に供給されるため、AGAの影響で薄毛や抜け毛が進行した頭皮の髪の毛を増やす効果が得られます。

AGA治療に使用する育毛剤の副作用

プロペシアの副作用について

プロペシアの使用が原因で発症する可能性がある主な副作用は以下の症状です。

• 男性機能低下

プロペシアの使用が原因で性欲減退や勃起不全、精子の減少といった男性機能低下の症状が現れる場合があります。

• 肝機能障害

プロペシアを使用したAGA治療は長期間続くため、肝臓への負担が蓄積して肝機能障害を発症する場合があります。肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、多少状態が悪くても症状を自覚できません。そのため異状を自覚した段階でかなり症状が進行している可能性があるので、異状を感じたらすぐにプロペシアの使用を中断する必要があります。

• うつ症状

人間の精神状態を活発にする抑うつ効果を発揮する神経活性ステロイドという物質が、プロペシアの使用が原因で減少する場合があります。そのため、プロペシアを使用することでうつ症状を発症する場合があります。

• 乳房肥大

プロペシアはAGAを発症させる原因である男性ホルモンの生成を阻害する効果を持つため、プロペシアの使用が原因で身体が女性化して、乳房が肥大化する場合があります。

ミノキシジルの効果について

ミノキシジルの使用が原因で発症する可能性がある主な副作用は以下の症状です。

• 肝機能障害

ミノキシジルはプロペシアと同様に長期間使用するため、肝臓にダメージが蓄積して肝機能障害を発症する場合があります。

• 低血圧

元々は高血圧の治療薬として開発された成分なので、使用すると血管が拡張されて血圧が下がり、低血圧になる場合があります。

• 多毛症

ミノキシジルを内服薬として使用すると、成分が拡散して髪の毛に限らず全身の毛が濃くなる場合があります。

• ニキビ

ミノキシジルの使用が原因で皮脂が過剰に分泌され、ニキビが増える場合があります。